渋谷のコバコ、The Roomには地方にもシンパがいて、僕、沖野修也、DJ KAWASAKI、GM、富永陽介らを呼んで頂くだけでなく、The Roomに頻繁に足を運んでくれる他府県のお客さんやDJも少なくない。
我々の音楽性に共鳴して頂いているとも言えるし、そもそも好きな音楽が同じでたまたま自然に結び付いたとも言える。
これは国内に限ったことではなく、海外からも沢山の方に(DJも含めて)お越し頂いているし、その出身地を聞き出せば、世界中の至る所にジャジーでファンキーでソウルフルな音楽好きが点在しているということが実感できる。
9月20日ON AIRの『The Room Radio』に登場するNegami Relax氏は、The Roomの盛岡支部長とでも言うべき存在で、オーナーの僕も、店長の富永も大変お世話になっている方だ。
彼の音楽愛、そして、The Room愛は、本人の熱い"語り"からも伝わって来るが、そのDJプレイを聴けば一目瞭然。
彼がThe Roomでレギュラーを持っていても何ら不思議ではない。
The Roomの地方シンパ、いや、The Roomと連携してグッド・ミュージックをサポートする優れたDJが東京以外の街にもいて、そのMIXは何の遜色もないクオリティーだということをリスナーの皆さんに是非、知って頂きたい。
こうした日本の地方に、そして、世界に散らばる似たようなテイストを持つDJ達は、実はインターネット以前から密かにネットワークを形成していた。
雑誌のチャートでお互いの傾向をチェックしたり、ファックスでやり取りをしてお互いのコレクションを売買したり・・・。
それぞれが自分の街を掘っていたのが、招聘し合うようになったり。
その旅先で掘り、ダイレクトに情報を交換するなんてことも(例えば、僕が根上さんに盛岡に呼んでもらい、盛岡のレコ屋でこれ持ってる?なんてやり取りがある、という事だ)。
各国に広がる人脈は、主要都市から地方都市へと繋がり、それこそ世界中を覆うWeb(蜘蛛の巣)を描いていたのだ。
インターネット以前に。
UKに
ロンドンと
ブライトンと
シェフィールドと
マンチェスターと
エジンバラと
グラスゴーのネットワークがあったように、日本でも
京都と
大阪と
神戸と
広島と
福岡と
長崎と
熊本と
宮崎と
福井と
敦賀と
浜松と
高崎と
仙台と
函館と
札幌が、ロンドンと連携する東京と、コネクトしていた。
勿論、盛岡も。
奇しくもインターネットのみならずSNSの隆盛と反比例するかのようにデジタルな情報へのアクセスや情報そのものの発信は民主化されたにも関わらず、アクセス数が可視化されることにより勝ち組への便乗が格差を増長してしまった。
故に僕らの絆は、有名人の盲目的崇拝に埋没してしまいがちだけれどそれは確かに存在し、そこに流れる熱い血潮は今も静かに脈を打ち続けていることも皆さんに知って欲しいと思っている。
集客数やアクセス数が価値基準となる時代に『The Room Radio』は、腕の良さをGM富永が、抜擢のバロメターにしている頑固で正直な番組だと自負している。
さてNegami Relax氏が盛岡から届けてくれるMIXは、僕寄りなのか?
それとも富永寄りなのか?
はたまたどちらにも寄らない彼独自のスタイルなのか?
そこをチェックしつつ、リスナーの皆さんには地方都市の底力+センスの良さ+選曲の質の高さを楽しんで貰いたい。
僕も地方出身で、今は、地方に戻った一DJ(今はDJとは名乗っていないけれど)だからね。
という訳で毎週日曜夕方4時からは『The Room Radio』を宜しくお願いします。
PS
盛岡の焼肉とジャージャー麺が久々に食べたくなるかもな。
沖野修也
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NEGAMI RELAX (PATINA / PATINA RECORDS)
石川啄木、宮沢賢治の故郷、北東北岩手は盛岡在住のグッドオールドミュージック愛好家、DJ。
2000年代初頭よりDJをはじめ、生音主体だがジャンルレスで自由な選曲をフロアの皆様に伝え続けて早十数年。
2007年から2019年にかけて盛岡唯一のレアグルーヴ・生音パーティー「PATINA」を主催。
「良質な"生"を盛岡の皆様に」をモットーに、新旧生音レコード、または東西南北の現行生音バンド、DJを城下町盛岡に届け続けた。
また2015年より自主レーベル「PATINA RECORDS」を立上げ、同年には1stシングルもリリース。
国内外のDJにプレイされている他、スノーボードムービー[CAR DANCHI9]に楽曲が採用される等話題を呼び、東北のオリジナルな生音発信に一役買っている。
現在はマイペースな姿勢で引き続き盛岡の街を音で彩る活動を継続中。
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9/20(日)4pm - 5pm
DJs: Team Room
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