12/24(日)9pm - 9:30pm
『お店ラジオ』にようこそ!
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、有限会社斗六屋の代表取締役で、甘納豆研究家の近藤健史さんでした。
甘納豆専門店「斗六屋(とうろくや)」は、甘納豆ひと筋97年、もうすぐ100年を迎える京都の老舗店です。
甘納豆研究家という肩書きについて、「もともと微生物の研究をやっていた人間です」と近藤さん。
「コロナでPCRという言葉をよく聞くようになりましたけど、あれは遺伝子の検査でして、そういうのを毎日やっていたような人間です。今も研究をやっている感覚でお菓子をやっているんですけど、研究対象が甘納豆になったという感じです」
そんな近藤さんは「斗六屋」の4代目。
先代までBtoBの商売をしていたそうですが、近藤さんの代になってからビジネスモデルを変えて、「今、B to Cに完全に移行しました」とのこと。
稼業を継ぐにあたり、まず同業他社で修業して、そこで学んだ知識をもとにB to Cに方向転換したと言います。
現在では、新しい和菓子のブランド「SHUKA」を立ち上げるなど、伝統の技法を受け継ぎながら、様々な商品開発を行っている近藤さん。
一体どのように変えていったのでしょうか?
「最初は、できることって自分からお客様のいるところに行くことだったので、マルシェや手作り市のようなイベントに出店したのが本当の始まり」とのこと。
また、商品の見直しも行いました。
「豆と砂糖のシンプルな商品なので、僕の感覚では甘いなと思って、レシピを見直して、糖度を下げたりしました」
実は、糖度が高いほど、微生物が抑えられて商品が日持ちするのだとか。
業務的には日持ちしたほうがいいわけですが、「B to BとB to Cの商売っていうのはそこが違いました」と、近藤さんは教えてくださいました。
つまり、作り手側の都合で作っていたレシピを、買い手側に寄せたというわけですね!
とはいえ、いくら商品を消費者目線で見直したとしても、商品をよりたくさんの人に広めるためには、「甘納豆」という商品が持つ昔からのイメージを払拭することが必要でした。
そこで考えたのが、チョコレートでお馴染みの「カカオ豆」を使った甘納豆!
「カカオに着目したのは、イタリアに行ったのがきっかけ。そもそも何故、イタリアに行こうと思ったのかというと、若い世代に甘納豆が全然伝わっていない、選択肢にすら入っていない、どうやったら興味を持ってもらえるんだろう?と考えて、ちょっと安易ですけど海外で認められたら興味を持ってくれるのではないか…と思ったんです」
近藤さんは、イタリアで開催される「スローフードの世界大会」に出品するなど、甘納豆のイメージ向上に務めました。
そして、そこで得た経験をもとに、「カカオ豆の砂糖漬け」というアイデアにたどり着いたと言います。
この商品の開発後は、メディアに取り上げられ、若い世代にも注目されて、「手応えは結構あった」という近藤さん。
その後、お菓子のブランド「SHUKA」を立ち上げるに至ります。
これまでの甘納豆屋と、どこが違うのでしょうか?
「一番違うのが、甘納豆の素材を“種”と捉え直して、ナッツ類なんかも取り扱い始めたこと。海外の人たちも視野に入れて、カカオやピスタチオなどですね」
伝統の甘納豆は「柔らかくないとだめだ」と教わってきた近藤さんですが、「SHUKA」では逆に食感を大切にしていると言います。
これまで誰もやっていない、新しい甘納豆。
クラウドファンディングやイベント販売などでお客さまの声を吸い上げ、反応を見た上でスタートを切ったそうです。
そうやって始まった新ブランド「SHUKA」では、例えば贈答用だと6個セットで6000円など、高価格帯のものも売っています。
「甘納豆というジャンルで括ったら、物によっては、日本で一番高いかもしれない」と話す近藤さん。
新ブランドを展開するにあたって、どのように価格を決めていったのでしょうか?
「原価から考えることと、マーケット価格=お客さまが認める価格、この2軸で原則通りに考えてはいるんですけど、目的としては“豆”の価値を高めたいと思っていて、人ってやはり値段で物事の価値をはかってしまうんですよね。だから安いものは、安物になってしまいますし。あとは、僕らの原価って農家さんの売上げなんです。とくにうちのお菓子は素材と直結しているので、それも考えると、いい値段で買ってあげたいし、当然それに見合ったものを作っていただきたいという思いもあります。そうなると、価格の上代をどこまで上げられるか、うちのチャレンジでもあって。種を丁寧に召し上がっていただきたいという気持ちも込めて、その価値をどうやって乗っけられるか、どうやって伝えるか、ということにフォーカスしています」
種の気持ちを体験できるような店舗にするなど、空間づくりにもこだわった結果、甘納豆1本でやっていた時と比べて、前年比200%の売上げになったそうですよ。
「何より、新しい顧客に届いたというのが一番価値があって、僕もお店に立っていて思うんですけど、甘納豆ど真ん中でやっていたら来なかっただろうなっていうお客さまが結構来てくださるんですよね。そういったお客さまと出会えるのは楽しいです。調べて来てくださるので」
伝統の甘納豆を一新させて、今では京都土産の新定番としても期待されている「SHUKA」。
皆さんも是非一度、味わってみてくださいね!
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