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飲食店なのに清掃活動が大人気? 株式会社なすびの団体客獲得の戦略

番組から
2024/09/01


9/1(日)9pm - 9:30pm

お店ラジオ supported by スマレジ


『お店ラジオ』にようこそ!

パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジの山本博士さん。

ゲストは、株式会社なすびの専務取締役、藤田尚徳さんでした!



株式会社なすびは、ジャンボ海老フライで有名な「なすび総本店」など、静岡県内で和食を中心としたお店を展開する会社。

来年で50周年を迎えます。

「私が生まれた年に父が創業した会社でして、最初は清水のビルの地下で17坪の店から始めて、炭火焼きと麦とろろの店でした。現在は、基本的に和食を中心として、静岡市内で15店舗。加えて、沼津や横須賀にもお店があります」と語る藤田さん。

そんな株式会社なすびでは、「団体で来るお客さまをたくさんとれるような戦略を組んでいる」と言います。

「宴会、パーティ、法事、それから観光バスで来る方々。団体客がとれるっていうところを軸に、その傍らで単品の面白いメニューなども出しながらやっています。うちが今、売上で17〜18億円くらいなんですけど、その半分が団体客なんですよね。ただ、原価も人件費も上がっているので、売上はあるんですけれど利益が出づらい、そんな環境に今なってきているのかなと思います」

なるほど〜。面白いメニュー開発のお話も気になりますが、まずは団体客獲得のお話から!

例えば一般的な飲食店は「席数×回転」で考えますが、宴会などの団体客を軸にしている株式会社なすびでは、どのような考え方でやっているのでしょうか?

「完全な1回転です。それで利益ベースに乗っていきますね。その代わり、単価は高いですけど。夜は、宴会でだいたい8,000円とか9,000円。1日の売上でいうと、220席くらいのお店で、週末で100万超えるような感じ。平日でも30〜60万ぐらい。で、月商で1,600〜1,700万円。これで全然いけますね」。

さらに、「うちの良いところは、ほぼ『行政施設』か『自社物件』なんですよね。家賃が無くて済んでいるという点が非常に大きいです」と、教えてくださいました。


では、「団体のお客さまをたくさんとれるような戦略」というのは、具体的にどういったものなのでしょうか。

一つは「営業」だと、藤田さんはおっしゃいます。

「私は専務という立場ですが、私も営業に回るんですね。営業と言っても、企業を回るわけではなくて、旅行会社さんや葬儀屋さんです。あと、私たちは飲食店なんですけど“営業マン”がいるんですよ。60オーバーの再雇用の人たちを営業マンとして雇用して、その営業マンが県庁に行ったりとか、大きな会社さんに行って、顔つなぎをしながら『うちで宴会やってください』『接待やってください』っていう感じで、団体客をとりにいっています」

ふむふむ。宴会やパーティ、法事、観光客をとるために、そう言った所へ営業をかけるのですね。

そして、「付加価値を高めたオンリー商品」だという藤田さん。

「うちでしか食べられないお料理とか、店長がしっかりと静岡の歴史を語ったりとか、“食”だけじゃなくて、そこに付加価値をどれだけ付けられるか。そういうことを念頭に置いて、商品を作っています。あとは、地元の久能山東照宮と提携して、そこの特別参拝プランを作ったりなど。点で戦うんじゃなくて“面で戦った商品”を作って、付加価値を高め、うちでしかできないオンリーの商品を売り出していますね」


株式会社なすびのオンリー商品。それは例えば、富士山世界文化遺産の構成資産として登録された「三保松原」の清掃活動です。

「見るだけはつまらない、何か体験できるものを」と、藤田さんが考えたプランですが、清掃活動とは一体……??

「三保の松原を清掃する体験を、なすびの料理とくっつけたプランです。今、それが結構ウケています。この間、JTBのツアーで長野から来てくれたんですけれど、みんな『歴史博物館とかもいいけど何か体を動かしたりとか、地域のためになることをやりたい』と言ってくださって。(旅行会社のツアーではなく)募集の方でも現在、三重や岐阜からバンバン来てくれています」とのこと。

また、実は山本さんも、この清掃活動に参加したことがあるそうで、「景色が素晴らしいですし、松林のいい空気の中で、ついキレイに葉っぱを集めたくなります」と、おっしゃっていました。

三保の松原の清掃活動で集めた“葉っぱ”は、スマレジ社の名刺の原材料になっているそうですよ。

加えて、プランには、株式会社なすびの料理も付いています。

その料理名は「三保松原焼き」!

藤田さんがおっしゃるには、「三保の松と藁を混ぜて、カツオやブリを丸焼きにするんですけれども、これがすっごく美味しくてですね。うちで商標をとったんですけど、世界遺産の松を使った料理です。これが大当たり。そして、その売上の一部を三保の保全活動に寄付することで循環型を作っていく、という仕組みを作っています」

へえー!世界遺産の松を使った料理、キャッチーで素敵ですよね!


こういった地道な地域貢献をしっかり続けてきたことも、株式会社なすびが地元の方々から愛され、接待やお祝いの席などで選ばれるお店になった理由です。

ほかにも、全国版のテレビ番組で何度も取り上げられている名物料理「ジャンボ海老フライ」の裏話など、味へのこだわりについてもお話しくださっているので、是非アーカイブをお聴きくださいね!


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