7/9(日)9pm - 9:30pm
『お店ラジオ』にようこそ!
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、先週に引き続き、株式会社ハイデイ日高 代表取締役社長、青野敬成さんでした。
今回は、さらに具体的な「日高屋」の戦略と、それを支える強い想いを三戸さんが聞き出してくださいましたよ!
まずは立地戦略。
「日高屋」といえば駅前の1階という一等地に多く出店していますが、それは売上を上げるためはもちろん、年金生活のお客さまも数多く来店されるため、階段を上る必要がない1階にこだわっていると言います。
そして出店は、「マクドナルドや吉野家の横に出す」と青野さん。
とくに牛丼などは競合になりそうですけど、大丈夫なのでしょうか。
「それでいいんですよ。相手にとってもいいでしょうし、我々にとってもいい。というのも、そういうお店のお客さまが、本当に毎日食べられるかどうかです。たまには日高屋にしようっていうお客さまも当然いますから、そのお客さまを我々は狙っているということですね」。
確かに、どれだけ好きでも毎日毎食、同じものを食べることは難しい。いつも行くお店の横に、ちょっと違うお店があったら、今日はこっちにするか!という時もありますよね〜。
さらに青野さんは、「もう一つ、うちはお酒を出しますから、昼は牛丼、夜は日高屋でと、そんな使い方もして頂けるので。だから、そういう立地にどうやって出すかっていうのが非常に重要なことですね」とのこと。
なるほど、昼と夜の時間帯で集客できるってことなんですね!
では、次に気になるのが、物件を決める基準。
駅前の一階という立地は、もちろん競争が激しく、家賃も高いと思うのですが…。
「家賃は、売上のだいたい何パーセントって感じではじきだします。会社全体でしたら10%から11%ぐらいのところで考えますけど、駅前だったらもう少し高く見積もったりしますね」と、教えてくださいました。
そして、飲食店で大切なのが、やはり味です。
「日高屋」でも創業当時から同じメニューがありますが、つねに味をブラッシュアップしていると言います。
「今思えば、日高屋ができた当時の中華そばの味と今の味は、全く違いますね」と、青野さん。
初期の中華そばは醤油がたっている味、現在は、まろやかさや柔らかさを感じる味付けになっているそうです。
客足を継続させるためには、最初に決めたレシピにこだわりすぎるのではなく、「日々の微調整が必要」ということでした。
時代に合わせながら、より美味しいものを目指すのが飲食店ですもんね!
…と、思っていたら、青野さんから衝撃のひと言が。
「美味しくはないといけない。でも美味しすぎちゃダメ」。
えっ、どういうことですか!?
「皆さんが美味しいものを食べるとき、例えば焼肉やすき焼きなどを食べると思いますが、これらを毎日食べられますか?ってこと。明日もその味は本当に感動した美味しさになるかどうかっていったら、多分、明日はそうはならないんですよね。日高屋の場合は、そこをうまく調整して、“明日も美味しく食べられるように”作らなきゃいけない」。
毎日食べても飽きのこない、まるで家庭料理のような味。みんなの食堂であり続けることが「日高屋」の目指すところなのでしょう。
ちなみに、“美味しいけれど美味しすぎない味”のラインはめちゃくちゃ難しいそうですが、「10人食べて、6〜7人が美味しいと思えるもの」だそうですよ(笑)
そんな「日高屋」では、物価高で人々の生活が苦しい中、今も中華そばを390円で販売しています。
「中華そば390円は、やっぱり守らなきゃいけないなっていうのがあるんですね。年金やお小遣いで来店されるお客さまも多いから、我々も頑張らせてもらっています」と、青野さんは語ってくださいました。
また、「我々が狙っているのは、年数なんですよ」とのこと。
「子どもの頃に食べた中華そばが、そのうち自分で稼いだお金で食べるようになって、結婚して、今度は自分の子どもを連れて食べに来て、そうして、おじいちゃん・おばあちゃんになって食べて…。そういう“年数”の中に日高屋ってものを描きたい。あ〜懐かしいな、あの頃食べたな〜って。自分のお小遣いで初めて食べた外食が日高屋だったら、ありがたいですねぇ」。
中華そば390円という価格設定には、こういった想いと狙いがあったわけなんですね。
それでは最後に、いつもの質問です。
「青野さんにとって、お店とは?」
お答え……「そこで働く従業員と、そこを利用するお客さまのもの」。
「会社のものではない、それがお店だ」とのことでした。
青野さん、数々のためになるお話、ありがとうございました!
皆さんも駅前で「日高屋」を見つけたら、青野さんのお話を思い出してみてくださいね!
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