6/12(日)9pm - 9:30pm
『お店ラジオ』にようこそ!
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、先週に引き続き、「中川政七商店」の代表取締役会長、中川政七(なかがわ・まさしち)さんでした。
では早速参りましょう!
様々な生活雑貨を取り扱う「中川政七商店」ですが、価格の設定はどうやっているのでしょうか?
「値付けっていうのは、値付けだけに閉じた話ではない」と中川さん。
例えば「中川政七商店」では、「千代布」という、柄がプリントされたガーゼハンカチを販売しています。
こちら通常、700円で売らないと利益がとれない商品。
中川さんは当時のマーケットを見て「いける」と考え、思い切って500円にしたそうです。
「薄利にはなるけど、数は出るだろうと思っていた。でも、売れなかったんですね」。
そこでどうしたのかというと、8種類だった柄のバリエーションをさらに追加し、20種類にしました。
え、売れていないのに一体なぜ…。
「うちの中で500円という価格は、めちゃくちゃ買いやすい価格なんですよ。“選べる状況”にもっていったら、多分そこからお客様は離脱しないだろうなと。店舗によっては4種類や6種類しか置いていなかったと思うんですけど、そうするとお客様は“どれを選ぼう”っていう意識にならない。でも、20種類あると『これ可愛い』『私はこっちが好き』となる。そこまでいって実際に買うのかどうかは、価格が500円なので、多分買うんですよね」。
なるほど、確かに!500円で質の良いハンカチを色々選べたら買っちゃいますね!
そうして最初は売れなかった「千代布」も、売れるようになったと言います。
「その20種類の柄の見せ方など、什器なども考えなきゃいけない。
そこはクリエイティブチームが頑張ってくれて、結果、売れたということ」。
商品製作と値段、そしてブランド全体の見え方と利益構造を見なければいけないので、工芸の価格設定は「相当むずかしい」ということです。
価格をつけた商品は、次に売らなければなりませんが、工芸品を扱う「中川政七商店」ではどんなやり方をしているのでしょうか。
中川さん曰く、「うちは他の雑貨店より、接客が肝」とのこと。
「中川政七商店」では、接客について「接心好感(せっしんこうかん)」という標語を掲げているそうです。
「この言葉の逆は、“接客売上”だと言っていて、お客様に接して売上をつくりにいくという意味。うちはそうじゃなくて、ちゃんと心に接して、売上じゃなくてブランドとして好きになってもらう。それを心がけていきましょうと言っています」。
それは、商品が持っているストーリーを、お客様にちゃんと“語りにいく”ということです。
「“語り”がないと工芸は売れないので、それは必要なんだけど、それを差し出すタイミングが大切」という中川さん。
興味のない人にガッツリ語っても引かれるだけなので、そこはちゃんと状況を見て、適切な量のインプットをするように指導していると教えてくれました。
そんな「中川政七商店」の取り組みの中で、今一番気になるのが、「N.PARK PROJECT」!
奈良という産地に、どうやって人を引き込むか。観光地なので人はいっぱいきます。実際、外国人観光客が訪れる街でいうと、47都道府県の中で奈良県は第6位だそうです。
しかし、その観光客たちが奈良に落とすお金の額は、なんと47位…。
「奈良には、良い宿がない、泊まらないから夜ご飯も食べない、そもそも食べたいと思う良いお店もない。なので、何とかここにしかない良いお店をひたすら作っていこう、それが街の魅力になる。そういったことに取り組んでいるのが、Nパークプロジェクトなんです」。
中川さん、わかりやすいご説明ありがとうございます!笑
これまで日本各地で行ってきたコンサルティングを、スモールビジネスを対象に、地元奈良でも展開しているということですね。
「お店をやりたい人たちのお手伝いをしている」とのことで、スモールビジネスに必要な要素を学び、実践することを総合的にサポートしてくれます。
「全力で応援します」という中川さんのお言葉、本当に力強かったです。
奈良でお店をオープンしたいという方は、是非「N.PARK PROJECT」の扉を叩いてみてくださいね!
それでは最後に、いつもの質問です。
「中川さんにとってお店とは?」
「ブランドイメージを作っていく中での最重要タッチポイント」。
中川さんは、商品だけで全てを伝えることには限界があると考えています。
人の頭の中でブランドイメージをカタチ作る時、店員さんの対応だったり、店舗のインテリアだったり、いろんな要素があってブランドのイメージって出来上がりますよね?
そういった意味で、「お店というは、とくに重要なポジション」だと言います。
とくに「中川政七商店」では、広告をほぼやっていないということですので、余計にお店=店舗が重要な位置を占めているのでしょう。
私も「接心好感(せっしんこうかん)」の接客を受けてみたいので、オンラインショップではなく、「中川政七商店」の店舗に行ってみたいと思いました!
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6/12(日)9pm - 9:30pm
DJs: 三戸政和(事業投資家), 山本博士
メール: omise@interfm.jp
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