5/5(日)9pm - 9:30pm
『お店ラジオ』にようこそ!
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、南インド料理専門店「エリックサウス」の総料理長、稲田俊輔さんでした。
稲田さんは、南インド料理専門店「エリックサウス」を通して、「ミールス」ブームの火付け役となった人物です。
「ミールス」とは、ワンプレートの中心に米があって、その周りをカレーやビビッドな色合いの菜食料理がぐるりと囲んでいる、南インドの定食のこと。
この定食スタイル、南インド料理とは知らなくても、見たことある!という方、多いのではないでしょうか?
しかし、まだまだニッチな料理ジャンル。
そもそも南インド料理とは?といったことから、稲田さんに教えていただきましたよ!
「南インドは、その名の通りインドの南部で、インドの中でもとくに伝統的な文化が色濃く残っている地域。米が中心で、野菜や魚介類などを使った食文化が発達して、その延長にあるのが今の南インド料理になります」
ちなみに、ナンではなく、完全に米が中心なのだとか。
そんなニッチな南インド料理を日本に広めたお店「エリックサウス」。
一体どのようにして、今のような人気店に成長したのでしょうか。
まず、「僕自身がマニアなんで」という稲田さんは、ご自身の趣味も高じて、「エリックサウスには、マスにも安心してもらえるメニューと、とことんマニア受けしか狙っていないメニューの両方ある」と言います。
マニア向けとマス向け、両極端な客層だと、店舗運営で不都合はないのでしょうか?
「マニア向けとマス向けのメニュー、両方を置いたとしましょう。一般の方がうっかりマニア向けのものを頼んでしまうと、もちろんミスマッチが起こる。逆もまた然りなんですよね。この交通整理をいかにうまくやるか、それが難しいですね」と稲田さん。
では、その交通整理を、「エリックサウス」ではどのようにしているのか…。
稲田さんはこう語ります。
「エリックサウスで一つたどり着いたやり方としては、マニア向けの料理の説明には、ネガティブなことをバンバン書く。例えば、南インドのすごくマニアックな料理で、マンディというものがあります。薄味のアッサリとした汁みたいなカレーと言いますか、カレーとは思えないような不思議な汁なんですけど、それを“南インドの伝統的な素朴でヘルシーな滋味溢れる煮込み料理です”と書いたら、頼んじゃいけない人が頼んじゃうんですよ。なので、“南インドの伝統的な貧乏くさい汁です”と書く。そこまで書いたら普通の人は頼まない。でもマニアは、絶対コレには何かあるって、逆に好奇心を掻き立てられて、それで完全に交通整理ができるんです」
なるほど〜面白いですね!
さらに、稲田さんはこう続けます。
「あとマニア向けは、あえて写真無しで、長々と細かい説明文を書きます。マニアっていうのは、どんなに説明文の字が細かくても、長くても、それを一生懸命読むので。料理の写真って結局、安心感を与えるためのものじゃないですか。思っていたものと違う、みたいなことが起こらないために。マニアは、そんなこと心配しないんですよ。むしろ、思っていたものと違うものが出てきたら興奮します」
これには三戸さんも大笑い。
ご自身も「マニアだ」という稲田さんだからこそ、説得力がありますよね(笑)
「さらに、もう一つは、一般の方たちをマニアに育てて一緒に楽しむ。ゾンビ理論って呼んでいるんですけど、マニア化させる(笑)」と話す稲田さん。
実際、エリックサウスを立ち上げた当初は、マス向けメニューとマニア向けメニューの販売比率は8対2だったそうですが、現在は4対6と逆転しているそうですよ。
もちろん、お店の認知度が上がって、もともとマニアのお客さまがより多く来店するようになったとも考えられますが、お店に通ううちに“マニア化”した方もいらっしゃるはずです。
でも一体どうやって?この疑問にも稲田さんは答えてくださいました。
「お店に行って食べるだけではマニア化しない、味だけではダメだと思うんです。味プラス、ロマン。単純な言葉で言ったら“うんちく”ですね。例えば、その料理が持つ歴史的背景とか地理・風土の話だったり。あるいは、かつてある小説家はこんなふうに書いていた…みたいな、先人たちが紡いだロマンだったり。そんなふうに味だけでなく、情報を提供すると興味が湧いてくるものです」
なるほど〜。そういった発想でメニュー作りをしたり、お客さまにプレゼンしたりして、ファンを増やしていったのですね!
最後に、お店をやりたいという方々に向けて、こんなメッセージを頂きました。
「とにかく色んなお店に食べに行く。それこそチェーン店も含めて。この店は何がいいのか“良いところ探し”をする。欠点を拾うのは簡単なんですよ。逆に、良いところを徹底的に拾うと、自分の中に情報が膨大に蓄積されていくじゃないですか。それをフィルタリングして、組み合わせて、自分のコンテンツを作っていくってことです。僕はチェーン店やファミレスこそ見習ったと言いますか、勉強になったことが多いです。彼らと同じような商品を作って、同じようなマーケティングをするっていう意味では無いんですよ。それをやっちゃうと個人店は絶対に勝てないから。だけど、思想やシステムだったりは、知れば知るほど本当にすごいな〜と思います」
稲田さんも、お店の方向性が決まるまでは、色んなお店を食べ歩いたそうですよ。
是非参考にしてくださいね!
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