「有隣堂」の公式YouTubeチャンネル、登録者数21万人！書店だからこそ、お店のファンづくりが大切

3/5（日）9pm - 9:30pm

今日も『お店ラジオ』にようこそ！

パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。

ゲストは、先週に引き続き、株式会社有隣堂の代表取締役社長、松信健太郎さんでした。

東京・千葉・神奈川に展開する老舗書店「有隣堂」。

売上をあげるため、書店としてどのような工夫をされているのでしょうか。

「本棚にポップを付けるとか、ボリューム陳列で売りたい商品を売るってやり方はあるんですが、例えば好きなコミックを買いに来たお客さまに、動線上にある実用書に興味を持って買っていただけるかというと、それは難しいんですよね。なので、ベースの部分で本を探しやすくするとか、そういった小さな努力を継続するしかないんじゃないかなと思います。それよりも、書籍以外の雑貨や文具を一点お買い上げいただくことで、ビジネス的に言うと客単価を上げる努力をしていくほうが正解じゃないかなと思います。“もう一冊より、もう一個”って感じですかね」。

「有隣堂」では創業当時から文房具も扱っていて、「本屋であり“文具屋”でもある」と松信さん。

実際、ほかの書店チェーンより、非書籍の売上の割合が多いと言います。

そして「有隣堂」といえば今、公式YouTubeが話題になっていることをご存知でしょうか。

その名も、『有隣堂しか知らない世界』。

今や登録者数が21万人を超える人気チャンネルなんですよ！

そんな「有隣堂」の公式YouTubeはどのように始まったのでしょうか。

松信さん曰く、「本当に軽〜い気持ちで始めてみたって感じです」とのこと。

「最初は本の紹介をしたんですね。本の紹介ってネタバレがダメだったりとか、表紙の写真が思うように使えなかったりとか、色んな問題があって、（当初は）本当に私が見ても驚くほどつまんないコンテンツでしたし、実際、再生数も社員の数の半分ぐらいみたいな数字でした」。

最初はうまくいかなかった公式YouTubeですが、「全く毛色を変えて今の形で始めた」という松信さん。

現在、本の紹介はほとんどなく、代わりに文房具や雑貨をテーマにしたものが増えたそうです。

「有隣堂のスタッフなり関係者なりが、自分の好きなものを純粋に好きなものとして語るっていうのをコンセプトとしてやっているので、その“モノ”をうちで売ってなかったりするんですね（笑）むしろ売っていないモノのほうが多い。そのへんが、ご評価頂いてるのかなと思います」。

公式YouTubeのコメント欄には、「埼玉に有隣堂ないんだよね」「九州にも出してくれ」などといった声もあり、そういった視聴者の暖かいコメントは従業員の励みになっていると言います。

さらに、公式YouTubeのキャラクターを使って、ぬいぐるみやハンカチといった「オリジナル商品」の販売も行っているそうですよ。

松信さんは、YouTubeをやる意味について、こう語ってくださいました。

「商品で差別化するのではなくて、やっぱりお店のファンになってもらうことが大事なんじゃないのかなと思っています。その一つがYouTubeであったり、10種類の選べる文庫カバーだったりします。文庫だけなんですが、好きなカバーをお客様に選んで頂くってことを1977年からずっとやっているんですね。弊社の名物として定着している企画だと思います。文庫カバーが好きだから有隣堂に行ってやるか！みたいな、ファンになって頂く要素をたくさん作っていくっていうことだと思います」。

どこで買っても内容も価格も変わらない“本”だからこそ、お店のファンづくりが大切だと教えてくださいました。

気になった方は、公式YouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』をご覧になってみてくださいね！

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