人気店「アットコスメストア」の売り場づくり！買い上げ率を考える上で大切なのは、データ×スタッフのチカラ。

2/19（日）9pm - 9:30pm

お店ラジオ supported by スマレジ

今日も『お店ラジオ』にようこそ！

パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。

ゲストは、先週に引き続き、株式会社アイスタイルの代表取締役社長、遠藤宗さんでした。

株式会社アイスタイルは、日本最大の化粧品の口コミサイト「＠cosme（アットコスメ）」に集まるデータを活用し、化粧品専門ECサイト「@cosme SHOPPING」や、化粧品専門店「@cosme STORE」などを運営している会社です。

さて早速、遠藤さんから気になるワードが出ました。

それは「買い上げ率」。

「入店客数に対する購入客の割合を、僕らは“買い上げ率”って呼んでいるんですけど、まだ会社がちっちゃい時からそれだけはデータでずっととっています」とのこと。

お店に来たお客さまが実際どのぐらい買ってくれたかってことですね！

人気店の「@cosme STORE」なので、さぞかし買い上げ率も高いのかと思いきや…

「30%です。もうちょっと高い店もありますけど、7割の人が買ってないんですよ」と遠藤さん。

え、お店として、それでいいのでしょうか？

「当初、＠cosmeで1位というポップを作って店頭に置いて、伊勢丹で売ってます！とか、小売業なのに他の小売業を紹介するってことを普通にやってましたね。あそに行けば何かに出会える、何か自由に試せるっていう環境をちゃんと作っておく。その中で、そのうちお客さまも何か買ってくれるだろう…と。買わなきゃいけない店には入りづらいですけど、自由に試せて自由に買わなくてもいいお店は、みんな気楽にどんどん入ってくれて。仕掛けが面白ければうっかり買っちゃう、という状況をどう作るかって、すごく考えましたね」。

そんな「@cosme STORE」は、売り場にも様々な工夫があると言います。

「売り場って、商品がたくさん入るように効率的に什器を並べると思うんですけど、僕らは基本的にそういう考え方はしなくて、ちょっと歩くとドンとぶつかって、左に曲がるとまた什器にあたって…と、迷路みたいな売り場をけっこう作るんですよ。商品がたくさん置いてあることも大事なんですけど、結局、その店が売れるかどうかは“商品とお客さまの出会いの数”だと思ってるんです。だから、出会わなかったら、置いてあっても意味がないんですよ」。

ほかにも、お客さまが興味のあるものに出会うために、店内にどれだけの“止まれるポイント”を作るか、そしてその棚に何を置くのか、さらにはそもそも一個一個の棚をどう作るか？といったところまで、細かく考えていると遠藤さんはおっしゃいます。すごいですよね。

「それも本社で全部コントロールしているわけではなくって、現場で働いているお店のスタッフの考えを売り場にけっこう反映させるので、ちょっとずつお店によって売り場が違うんです」と、遠藤さん。

お店のスタッフの声を大事にしていることも、「@cosme STORE」の特徴の一つだと教えてくださいました。

また、買い上げ率を考えるとき、大事なのは「接客」だと遠藤さんは言います。

「とくにカウンセリングが必要なスキンケアブランドとか、メイクの技術など、トレーニングプログラムを会社で作っているんですけど、それをスタッフみんなに受けてもらってスキルアップを図る。で、そのスタッフたちが店頭で色んなことをやってくれるから、お客さまの購買意欲が高まったりする。接客が買い上げ率にかなり大きく影響してきます」。

そのため、自社で顧客台帳システムを作り、それをお店のスタッフ全員がiPadで使えるようになっているそうです。

「それぞれのお客さまにどんなカウンセリングをしたか、肌診断の結果がどうだったのか、どんなサンプルをお渡ししたか…とか、そういうものが全てデータとして取れるようになっています。データと、プラス、やっぱり人のチカラ。この両方の掛け算が大事だなと思っているので、それをこれからも突き詰めていきたいなと思っていますね」とのことでした。

では最後に、いつもの質問です。

「遠藤さんにとって、お店とは？」

答え、「（ネットではできない）素敵な体験をつくる場所」。

お客さまにどれだけ楽しんでもらえるか、その結果が売上だと思う。それが、女性から圧倒的な支持を集める「@cosme STORE」を作った遠藤さんのお考えでした。

行くだけで楽しいお店なので、男性の皆さんも機会があれば試しに立ち寄ってみてくださいね！

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