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広隆寺「弥勒菩薩象」の源流は、アフガニスタンにあり

番組から
2019/04/14

一般の日本人に取って、アフガニスタンは、内戦と砂や土埃のたつ荒れた土地柄の国という印象しかない。

あるいは戦争や内乱等の大量のニュースのなかで、唯一、「バーミヤンの石窟内の仏像二体がテロで破壊された」という衝撃的な映像のイメージがあるだけかもしれない。

他方で、京都の広隆寺にある、国宝第一号の「弥勒菩薩象」は、修学旅行生も含めて、多くの日本人が一度は何らかの形で目にしたことがあるはずだ。

弥勒菩薩(素描)平山郁夫シルクロード博物館提供弥勒菩薩(素描)平山郁夫シルクロード博物館提供


そして、その京都の弥勒菩薩の源流をたどるとまさに、あのアフガニスタンにあるバーミヤンの「青の弥勒」なのだそうだ。

「青の弥勒」京都大学提供

「青の弥勒」京都大学提供


日本にとって、中国が近いというのは地政学的な意味も含めて、誰もが知っている。

けれど日本の京都とアフガニスタンのバーミヤンが、「弥勒菩薩」というシンボリックな大河でつながっていると知ったら、かの遠い国が、少し「遠くて近い国」になるかもしれない。

ARTIST EDGE」サウンドマガジン編集長 渡邉英明